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イベントレポート!

ムー・ソクアさんを囲む会実施報告

概要

日時:2005年11月7日月曜日午後7時〜9時
場所:青山学院大学総研ビル9階第16会議室
共催:国際子ども権利センター・アジア女性資料センター

タイトル: ★カンボジアで今何が起こっているのか?★
   〜カンボジア元女性大臣 ムー・ソクアさんを囲んで〜

ムー・ソクアさん略歴
1972年にカンボジアからフランス、アメリカへ留学。留学中にクメールルージュ政権となり両親は亡くなる。1981年にカリフォルニア大学バークレー校で社会福祉修士号を取得後、タイ難民キャンプの国連プログラムに従事。1989年に帰国。以来、人権活動家として人身売買、ドメスティック・バイオレンス、労働者の搾取の問題に取りむ。1991年にカンボジア初のNGO「ケマラ」を創設。1998年に女性・退役軍人省大臣に就任。大臣時代、東南アジアにおける人身売買をなくすためにタイ政府との国際協定や、ドメスティック・バイオレンス法の制定に尽力した。現在、Peace and Development Institute 理事長。2005年国際キャンペーン「1,000人の女性にノーベル平和賞を!」候補者。
当日の様子(当センター副代表坂井報告) 

   

講演内容の全記録公開

カンボジア元女性大臣ムー・ソクアさんを囲む会に出席しました。平日夜の、急な企画でしたが、70人以上の参加者が集まりました。 ソクアさんは、まず参加者の関心の高い「教育」を切り口にして話し始めました。男性の50%が非識字者、女性においては71%が非識字者であるという「ジェンダー不平等」な現状が、人々の健康面に悪影響を与えており、出産に伴う多数の妊婦の死亡、多くの幼児の死亡につながっています。 また、教育が不十分なために、家族の誰かが、避けられたはずの病気を抱えてしまいます。そして、病気の家族を抱えることは、治療のための多額の現金収入を必要とします。家族の誰かが病人になることが、人身売買の有力な要因になっている、とソクアさんは報告しました。また、HIV/AIDSの拡大により、両親が死亡して祖父母に養育される子どもが増加している、と報告しました。 さらに、カンボジアで深刻化している土地問題については、教育が不十分で土地登録の方法を知らない貧困層が土地を取り上げられ、親が流浪生活になるとともに、子どもは学校へ通えなくなる現状を報告しました。  このように、教育、ヘルス(健康)ケア、土地問題なが、相互に関係し、貧しい人々、とりわけその中でも子どもと女性に苦難をもたらしていることを、ソクアさんは強調しました。 ソクアさんはお話の後半で、「ジェンダーに基づく暴力」として人身売買とドメスティック・バイオレンス(DV)について詳しく報告しました。DVについては今年成立したばかりの法律の紹介が行われました。人身売買については、貧困改善、意識変革、訴追、回復の4点を解決のポイントとして挙げました。最後の「回復」については、被害者が差別を恐れて故郷に帰れないことに象徴される「被害者を差別する社会」を変革し、回復を社会が支えることの重要性を訴えました。 会場からの質問に対してソクアさんは詳しく答えましたが、とくにその中で、「日本の性産業がそのままカンボジアへ来ているのです」という訴えが、とても大切なことに思われました。

 日本にいる私たちの周囲にいる男性たちのなかに、はるかカンボジアまで出かけて買春する者たちがいる、彼らにとっては「国境」は高い壁ではないのだ、逆に、わずかな金額で女性や子どもが買える便利な装置でしかないのだ、という現状認識だと受け止めました。


撮影:アジア女性資料センター

 ソクアさんは、こうした深刻な諸問題の解決のために、「民主主義」「当事者の参加」が重要だと考えているようですが、その点は時間が足りずにお話を聞けずに残念でした。

来場者の感想

野末智弘さん(桜美林大学国際学部3年生)

一番印象に残ったのは「どこにでも希望があると信じたい」というソクアさんの言葉です。政治家が腐敗していたり、社会が暗黙のうちに人身売買の問題を受け入れていることに対して、私たちは決して容認したり、仕方ないことだと諦めてはいけないんだと考えさせられました。社会そのものの仕組みを私たち市民の手から変えて行くことによって、それがやがて政治家や社会を動かすきっかけになるのではないかと考えました。

 また、私たちは男性を含めたすべての人の意識を変えていくべきであり、社会の問題を過去の責任にするのではなく、私たちに責任があることを認識していかなければならないという言葉の中から、カンボジアの現状を日本人である私たちも正しく認識し、日本からも人々の意識を変えていかなければならない必要性を感じました。 

岡本幸子さん(会社員)

政治の腐敗が問題視されるカンボジアにおいて、社会的弱者の人権を守るためにこれ程偉大な貢献をした女性がいるという事実に、勇気を与えられました。しかしながら、一方ではソクアさんに対して“家族を引き離す”あるいは“売春婦の味方をする”大臣だ、というような批判の声もあったとのことです。

それほどセンシティブな問題であり、中途半端な横槍や、援助でさえも、いかに悪い影響を与えかねないかという難しさを痛感しました。カンボジアの問題として考えるだけでなく、一支援国のひとりとしての問題意識がいかに重要かわかりました。 

 
波田埜 良美さん(高校生3年生)

ソクアさんのお話は非常に興味深く聞かせていただきました。土地問題やDV法など、色々なお話があったのですが、それらの問題には教育の不足 ということが大きく関わっていることがわかりました。

 日本は学校を建てたりという金銭的な援助はするけれど、教師や教育そのものの 『質』に目を向けていない援助をしがちで、これからは『量』よりも『質』を大切にする援助をしてほしいというくだりが印象的でした。

 そしてやはり、司法の腐敗(裁判所や警察も含め)は非常に大きな障害だと改めて思 いました。これを改善しないことには、やはり国としてなりたたなくなっていくと思 います。

 また、人身売買に対する対策として、メディア(女性=セックスorセクシーという固 定観念をなくす、強姦などをセンセーショナルに報道しない、等)を挙げておられま した。これは日本でも同じことが言えるでしょう。 メディアは巨大な影響力を持つ分、うまく利用することができれば、感じました。        


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