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基準に基づいてパートナーを検討
資金協力に限らないパートナーシップを
HCC―村人自らが子どもを守る
子どもたちのオーナーシップ

基準に基づいてパートナーを検討
8 月からカンボジアに滞在し始めました。親から買春宿に売られた子ども、路上でシンナーを吸っている子ども、やせ細った身体でリヤカーでごみを運ぶ子どもなどを見たり聞いたりし、胸が痛くなることも多いですが、それ以上にそんな子どもたちの権利を保障しようと活動するNGOの人々の姿にとても勇気づけられています。それらのNGOのなかから、国際子ども権利センターは11月の第4回運営会で4つのパートナー団体を決めました。(下表)決めるにあたっては、まずパートナー団体選択基準を9 月の第3
回運営会で決定しました。
この基準項目にしたがって、4 つの団体を検討したところ、いずれの団体も基準を十分に満たしていることがわかりました。つまり、子どもを一人の人間として、また、権利の主体として尊重し、子どものエンパワーメントをめざしているので、私たちのビジョンにも合っていました。さらに、そのほとんどが子ども参加を実践しているので、彼らの実践から私たちは多くを学ぶことができ、それを日本社会に伝えられることが期待できます。そして、いずれの団体も国際子ども権利センターとパートナーを組むことに積極的な姿勢を見せてくれました。
| NGO名と主な活動 |
| 1 |
子どものためのヘルスケアセンター(HCC=Healthcare Center for Children) |
| 人身売買やCSEC(子どもの商業的性的搾取)、劣悪な児童労働から子どもを守るために活動。人身売買やCSECの防止と救出・保護。 |
| 2 |
子ども権利基金(CRF=Child Rights Foundation) |
| 学校の子どもたちや教員に子どもの権利条約を普及。メディアや子どもの権利条約モニタリングにおいて、子ども若者の子ども参加を促進。 |
| 3 |
フレンズ(Friends) |
| ストリートチルドレンが路上生活をやめることができるように、教育、職業訓練のほかさまざまなプログラムを実施。 |
| 4 |
アフェシップ(AFESIP) |
| 子どもと女性の人身売買を防ぎ、被害にあった少女たちを保護。人身売買や買春宿について調査し、警察に知らせ、子どもたちを救出。 |
※これらのNGOの更に詳しい情報は権利センターの支援する4つのNGOのページをご覧ください。

資金協力に限らないパートナーシップを
パートナー団体という場合、その関係は、必ずしも、資金協力に限らず、子どもの権利実現の経験交流や情報交換も含みます。たとえば、フレンズは、すでに、資金協力ができなくても、@子どもの権利チームの活動を見学、Aスタディツアーの受け入れ、B12月・1 月の日本での報告会のための情報提供、に関して承諾してくれています。
資金協力についての具体的なことは、今後決めていきますが、現在出ている案は、以下の二つです。@子どもたちが性的目的のために人身売買されるのを地域で防ぐために、子どもの権利や人身売買業者が使う嘘の話などについての啓発活動(HCCが実施)への支援A子どもたちが性的虐待から自らの身を守ることができるようにするためのリーフレットの印刷(CRFが実施)への支援。
今年3 月発行した「現地レポートアジアで性的搾取に取り組むNGO」や過去の会報で各団体の紹介をしてきましたが、今回はHCCについて詳しく紹介したいと思います。

HCC―村人自らが子どもを守る
HCCは、1998 年に設立されたNGOで現在スタッフの数は29人。子どもたちを人身売買、奴隷のような児童労働(特に物乞い)から守るために活動しています。活動は、予防プログラムと救出・保護プログラムの二つに分かれていますが、今年からは予防プログラムにより力を入れています。予防プログラムの中心となるのが、農村のコミュニティで意識啓発をしながら、「コミュニティ・ベース・セルフ・プロテクション・ネットワーク(CBSPN=Community Based Self-ProtectionNetwork)」をすることです。HCCは、ポスターやパンフレット、ブックレット、ロールプレイ、村でのミーティング、ビデオ(VCD)上映会などを通じて、子どもの権利、人身売買がもたらす結果、人身売買加害者が使う作り話、人身売買の処罰などについて啓発しています。たとえば、「騙されないで」というブックレットは、少女がいい仕事があると騙されて、村からプノンペンに行き、買春宿で無理やり働かされ、エイズで亡くなってしまうというストーリーがマンガで描かれています。また、最近は村にもVCDプレイヤーが入ってきているので、警官の幼なじみが買春宿で働かされる話を映画化した「Victim」や、自分や他人が性的搾取の被害にあったときにどういう団体にどのようにコンタクトをとればいいかと説明する内容のものをVCDにコピーして上映しています。
そうした意識啓発のトレーニングには、女性と子どもの代表や、警官、村のリーダー、教員、関係役所の役員、ヘルスワーカーなどキーパーソンに参加してもらうのですが、研修後は、彼らに上記のネットワークづくりをしてもらいます。こうすることで、人身売買の加害者がその村や地域に入れなくなるようにするのです。また、学校ではカリキュラムに子どもの権利や人身売買、CSEC(シーセック=子どもの商業的性的搾取)の問題を取り入れたり、教員、校長先生に対して研修ワークショップを実施したりしています。その際に、トレーニングを受けたキーパーソンに自分たちでトレーニングを実施してもらうようにしています。こうすることで、農村の人びと自身が意識啓発プログラムを運営していけるようにしているのです。「持続可能性(サステイナビリティ)」にはHCCは大変注意を払っています。
さらに、このコミュニティのネットワークで解決できない問題があれば、それを地区レベル、県レベルへともっていき、解決するようにしています。そして、家族が再び子どもを売らなくてもすむように、家庭の収入を上げることにも力を入れ、職業訓練や小規模融資もおこなっています。


子どもたちのオーナーシップ
HCCはまた、子ども参加を促すために「子どもから子どもへ」「友達から友達へ」というアプローチを大切にしています。
子どもたちは、人身売買やCSEC について仲間と警察などの関係機関の両方に伝えるだけでなく、これらの問題の最大の原因は何か、解決法は何かを考えます。また、この意識啓発プログラムがうまくいっているかをモニターする役割も与えられます。こうして子どもたちは、このプログラムが自分たちのものである、というオーナーシップ(ownership)を感じるようになっていくのです。そして、地域の子どもたちを人身売買やCSEC、搾取から守るのは、自分たちの責任だと感じ、行動を起こすようになるそうです。
HCCでは、被害者を保護している回復センターにおいても、長く滞在している子どもたちが新しく保護された子どもたちのケアができるように「子ども・カウンセラー・グループ」をつくっています。
国際子ども権利センターはエンパワメント・プログラムの支援に関心があることを話すと、代表のアクラ・コウさんは、被害を受けた子どもたちのエンパワメント・プログラムはもっと必要だと話していました。
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HCCが保護したある少女のケース
ソー・コムは、現在、18 歳でコンポンチャム県生まれ。彼女の両親は6 歳のときに亡くなり、彼女は叔母によってプノンペンの台湾人の家庭に働きに出されました。そこで、彼女は虐待されたので、逃げ出し、コンポンチャムの村に戻りました。しかし今度は叔母によってシアヌークビルの買春宿に売られてしまいます。そこで彼女は棒で叩かれたり、電気ショックを与えられたりします。そして、ドラッグを打たれ、毎日暗い部屋に閉じ込められ、たくさんの客の相手をさせられました。HCCに保護され、心身ともに回復した彼女は、ネイルケアの技術を身につけ、プノンペンの美容院に仕事を見つけました。2001年5月には、近所に住む男性と結婚しました。 |
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