| 今号と次号の2回にわたり、ナショナル・チルドレンズ・タイムズ*第2号(04年発行)から、インド第14回下院選挙(同年実施)に際し、「デリー子ども権利クラブ」がすべての政党のリーダーたちへ送った手紙をお届けします。選挙権を持たない子どもが、自分たちの抱える問題を18項目にわたって候補者に訴え、解決を図るように要望しています。
一方、政治離れの進む日本では、投票率の低さが問題となり、子どもの意見が政策に反映された例もほとんど見かけません。また、そもそも今日の日本社会は、子どもが自分の意見を自由に表明でき、しかもそれによって何ら不利益を被らない社会と言えるのでしょうか。「子どもの意見の尊重(権利条約第12条)」が完全に保障された社会の実現を願わずにはいられません。
関西翻訳チーム
* ナショナル・チルドレン・タイムズというのはバタフライズ支援のもとでいくつかのNGO に所属する子どもたちが共同で発行している新聞です。
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この手紙を読んで下さる政治家の皆様へ 私たちは、デリー市内の12 の団体からなる「デリー子ども権利クラブ」のメンバーで、ストリートチルドレンや働く子どもたちです。 私たちがこの手紙を書いているのは、もうすぐ第14回下院選挙が行われるからです。皆様の政党が街のあちらこちらで毎日街頭集会を開き、候補者が「世の中をもっと良くしていこう」と演説しているのを見かけます。でも、私たち1億1千万人のストリートチルドレンや働く子どもたちは、この演説にがっかりしています。どの政党も、子どもの要求や問題に取組む行動プログラムを計画してくれないからです。 働く子どもたちの生産量はインド総生産の20%に上り、私たちが全労働人口に占める割合は非常に大きくなっています。けれども、独立以来56年間にわたり、私たちの存在はずっと無視されてきました。私たちには選挙権がないので、政党に何の影響も与えることはできないし、どの政党のリーダーも私たちのことを真剣に考えてくれたことはありません。それにもかかわらず、私たちは次のように信じています。つまり、皆様のような未来を見通す目を持ったリーダーが、「将来の鍵を握る子どもに投資することが、長い目で見れば結局国益につながる」という考えであることを。 私たちはこのように決めたのです。各政党のリーダーで、選挙に勝ったら人びとのために働こうとしている皆様に、これからの行動計画で子どもの問題に目を向けるようにお願いしてみようと。子どもの問題が、個人としての皆様だけではなく、所属する政党の今後の重点的目標になる時期がやって来たと思います。皆様は人びとのリーダーや国会議員として権力があり、子どもに十分に優しい政治-子どものことを本当に気にかけ、子どもが保護され、生き残って成長するために必要なものを満たす政治-を選挙区で約束することによって、子どもの人生に変化をもたらす力を持っています。どうか、92 年12 月に政府が「子どもの権利条約」を批准したことを思い出して下さい。この条約によって政治家は子どものために行動する義務と責任があり、皆様の行動計画に組入れなければならない問題もいくつかあります。私たちは04 年3 月12 日の会合で、第14回下院選挙に際し、子どもに直接かかわる問題で、優先して公約に含めてほしい項目を決定しました。 皆様に直ちに取組んでほしい問題は次のとおりです。 1.教育 私たちは、教育を受けることは子どもの権利で、政府が施す福祉対策ではないといつも考えてきました。そして、教育を受ける権利を皆様に是非とも保障してほしいのです。どの子も質の良い適切な教育が無料で受けられ、栄養たっぷりの衛生的な給食が食べられる-このことを実現してもらうために、私たちは皆様の決断を期待しています。それから、せめて中学校レベルまでの勉強が確実に続けられるようにして下さい。
子どもが何か手に職をつけられるように、すべての学校に職業訓練コースを作って下さい。そうすれば、成績が思わしくない子や勉強がきらいな子にも学校が役立ち、職業訓練で手に職がつけられ、うまく生きていけるようになるのです。 ここ数年、私たちは教育を受けることは基本的な権利だと聞かされてきました。しかし、今のところ教育の質が良くなったようには思えませんし、設備がすべてそろった良い学校にも入れません。私たちは、政府には子どもの教育にお金を十分使うだけの余裕がないとも聞かされてきました。また、質の良い教育がどの子も無料で受けられる法律があるようにも見えません。私たちの学校は、デリーの中心地にあるテントから始まりました。デリーの公立学校では先生が授業をサボったり、テストで大っぴらに答えを教えたりして授業ができないことを隠す先生が本当にいることが知られています。もしもこれがデリー中で行われているとしたら、他の地域の学校のことも想像がつきます。私たちは皆様にこのことを真剣に考えてほしいのです。そして、(高等教育や職業訓練の授業料引き下げを考えるだけでなく)教育に十分なお金をかけ、直ちに実行に移して下さい。
(次号に続く)
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