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バタフライズは1988年にデリーで設立されたNGOで、ストリートチルドレンや働く子どもたちに対する支援活動を行なっています。創立者はリタ・パニッカさんという女性です。青空教室の開催、貯金プログラム、保健プログラムを通して、子どもが教育の機会を得て健康な生活を送ることができるようにしたり、雇用主からの暴力から保護したりするだけでなく、子ども労働組合、子ども会議、子どもによる壁新聞の活動を支援することによって、子どもが権利主体となって力をつけることも重視しています。
現在、登録されている子どもは約500人(01年度12月末時点)。スタッフは15名の事務所スタッフの他に、ストリート・エデュケーターと呼ばれる、路上生活の子どもたちを直にケアする20名のスタッフがいます。デリー市内にある9つのコンクトポイント(働く子ども、ストリートチルドレンと共に活動する場所)で活動しており、各ポイントに1〜2名が派遣されています。スタッフは全て有給で、経験は10年近い人から、3ヶ月程度の方まで様々です。
♪青空教室
コンタクトポイントは子どもたちが働いている近くに設置され、また子どもたちが来やすいように、建物の外で行われています。ここでストリート・エデュケーターは読み書きを教えたり、傷の手当てをしたりします。子どもたちが楽しく勉強できるように、ゲームを取り入れる、読み書きを教える前に線を引いたりすることから始めるなど、勉強方法にも工夫がみられます。
バタフライズは子どもたちに物を与えるときに決してただでは与えないという方針を持っています。全てを依存してしまう子どもになってしまわないためです。そのため、勉強で使うノートも、半分は子どもたちに払ってもらっています。
♪子ども労働組合
「子ども労働組合(Bal Mazdoor Union)」は子どもたちが参加の権利を行使していることを象徴するバタフライズの活動です。マーケットで店主から盗みの疑いをかけられ、ひどく殴られたことをきっかけに1991年8月に「子ども労働組合」を結成しました。
労働組合登記所にかけあい、労働組合として正式な登録を求めましたが、子どもは労働組合を作ることができない、と却下されました。1993年、最高裁判所からインド政府、労働組合登記所、デリー知事に許可を命ずる通達が出されたが、まだ認められていません。
『子ども労働組合は、合法化されていませんが、子どもたちは「私たちは労働組合を組織している」という意識を持っています』とリタさんは語ります。
♪クライシスセンター
*バタフライズが設立するクライシスセンターとは?
デリーにある大多数のクライシスセンターは女性のために開かれていて、女の子たちには孤児院しか用意されていません。しかし孤児院は6歳までの子どもしか預からないため6歳以上の子どもたちは行き場がありません。そこでバタフライズは、性的虐待を受けた子どもたちや路上で働く子どもたちが、一人であるいは友達や、親戚を連れて助けを求めにこられる、また身体的・精神的な傷から回復できる場所としてクライシスセンターの建設のプロジェクトを進めています。
94年頃からバタフライズではクライシスセンターを作りたいと思い始めました。その後、バタフライズは全インドのクライシスセンターの調査を行なったのですが、調査を通じて分かったことは"人のために働ける人は必ずしも子どものために働けるとは限らない"ということでした。
それは、『子どもに関わるには特別な能力、トレーニングを必要とする』ということです。バタフライズではセンターの建設が始まったら、運営に関わる人全てに対し、10ヶ月から1年間のトレーニングを行ないたいと思っています。不安定な子どもを受け止めるために、医師、カウンセラーだけではなく子どものお世話をする人にもこのトレーニングは必要と考えています。
*路上に住む女の子
現在、クライシスセンターには13人の子どもがいます。大体1人につき、治療、カウンセリングなどで3000ルピーがかかります。
このクライシスセンターでは、チャイルドラインからよりも、コンタクトポイントで子どもから聞いて救出してくるケースの方が多いといいます。子どもは自分から訴えようとしないし、情報を与えられていないため法律のことも知りません。また、周りの大人も、性暴力よりもその他の暴力の方が深刻な問題と受け取ってしまいがちです。
性的虐待を受けた子は、回復に長時間かかります。10歳代半ばのある少女は、3、4歳の頃から父や叔父から性的虐待を受け、10歳のときに道に捨てられ、バタフライズに助けられました。クライシスセンターに来て1年半になり、現在も月に4回カウンセリングに通っています。保護されたときは排泄すら満足にできない状態だったといいます。
スタッフはここを出て、公の施設へ行った子ども達のことが心配しています。ほとんどの施設で人手が足りなくて、十分なケアが出来ないからです。また、自由に移動して暮らしてきたストリートの子ども達は、家の中で暮らすのを好まず、緊急事態を脱すると外に出たがることがあります。
♪活動上の問題
1998年頃から働く子どもやストリートチルドレンのためのNGOが増えました。その結果、NGO同士での子ども達の取り合いということが起こっています。
バタフライズは"モノを配る"というそのプロセスが子ども達が依存する形になってしまい、自立心が粉々になってしまうと考えていますが、他のほとんどのNGOが施設を持っていて、そこでいろいろなものを無料で配っています。NGOに資金などの協力を行なう団体が子どもがきれいな服を着て、満足な食事を取るというような目に見えたものを求めるからです。
『彼らの行なっていることは先を考えた援助ではありません。一人一人を見ている訳ではないので、スキルを身につけずに施設を出る18歳位の子は一人で暮らしていく能力を身につけることはできないでしょう。バタフライズは10年後のビジョンを持っています。長期的ビジョンを持たないNGOに危機感を抱きます。』
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